星野道夫 悠久の時を旅する

美術館を巡る

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東京都写真美術館で開催されている
 
「星野道夫 悠久の時を旅する」へ



 
 
 
 
 
3年ほど前に、星野道夫さんを知った
 
 
 
 
 
写真を見て涙が溢れたのは
はじめての経験で
 
 
 
 
アラスカの大自然の中で生きる
人や動植物達の膨大な生命エネルギーが
 
 
 
 
ページをめくるごとに
 
 
 
 
鮮明に
 
 
 
 
そして力強く
 
 
 
 
私の心臓を揺らした
 
 
 
 


 


 
展示会場に入ると
まず目に入ったのは
 
 
 
 
 
 

“大切なのは、出発することだった”
 
 
 
 
 
 
 
 
という言葉
 
 
 
 
 
きっと多くの人が、この
 
 
 
 
一歩を踏み出す
 
 
 
 
という行動を取れずにいるのだろうと思う
 
 
 
 
 
私もそれに漏れず
なんとなくモヤモヤとした時を
幾度となくやり過ごしている
 
 
 
 
 
けれど、星野さんは違った
 
 
 
 
 
アラスカの写真集を目にして感じた
胸の高鳴りを行動の源とし
10代で単身アラスカのシシュマレフへ
 
 
 
 
 
 
それが、すべての旅のはじまりだったのだ
 
 

 
 
 
どうして、こんなにも
美しく満ちた写真が撮れるのだろうと
作品の前に立つ度に、何度も何度も自問する
 
 
 
想像をはるかに超えるであろう
過酷な環境の中で、シャッターを切り続けた
星野さんが追求していたものは何だったのだろう
 
 
 
今もまだご存命であったら
私は、どうにかこうにか
ご本人に、そんなことを投げかけたかもしれない
 
 
 
作品の奥の方まで意識を集中させると
もっともっと五感で知りたい
土地の香りや、肌感を直接的に
私の経験としたいと強く思った
 
 
 
 
そして、これこそが
 
行動した者だけが味わえる
 
至宝なのだろうと思った
 
 
 
 
現代の、たくさん在る、はずの生活においても
 
ちょっとした心の歪みに入り込む
 
不足感、孤独感、劣等感…

生きるのが辛いと思う
 
 
 
 
 
 
 
そういうときに
必ず、勇気づけられる
 
 
 
 
 
 
細胞を震わせてくれる
 
 
 
 
 
 
 
 
そんな出会いがあって
本当によかった

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